スモモ支援SS「フードファイター・スモモ!」 <タマムシシティ> スモモ「わぁー、ここがタマムシですか!すっごく大きくて、華やかな街なんですね!」 マキシ「そうか、スモモはタマムシに来るのは初めてだったか」 スモモ「タマムシどころか、カントーに来るのも初めてですよ!     何かもう、完全に別世界って感じです!」 スズナ「もおっ、スモモちゃんったら大袈裟なんだから…     シンオウにだってヨスガっていう大都会があるんだから、そんなに珍しがる事もないでしょ?」 スモモ「えーっと、その…お、お恥ずかしいんですけど、あたしトバリ以外だと     キッサキとバトルフロンティアくらいしか行ったことなくて…」 スズナ「ありゃ、そうだったっけ?」 マキシ「がはは、スモモはいつも修行で忙しいものな!」 スモモ「てへへ、すいません世間知らずで…」 スズナ「そんじゃ、今日は思いっきりタマムシを満喫していかなきゃだね!」 スモモ「はいっ!あ、あの大きな建物は何ですか?行ってみたいです!」 マキシ「おっと、その前に…スモモ、そろそろ小腹が空いてこんか?」 スモモ「えっ?お腹なら いつも空いて…っていえっ、まだ全然大丈夫です!」 スズナ「あはは、無理しなくていいよ、スモモちゃん!     ほら、丁度あそこにいい感じのお店があるから 一緒に入ろ?」 スモモ「いえ 本当にまだ…(グゥ〜)」 スズナ「スモモちゃ〜ん?今の音は何かなあ〜?」 スモモ「ちっ、違うんです!い、今のはあれです…     そう、おならです、おならの音です!!」 スズナ「もおっ、スモモちゃんったら 相変わらずやせ我慢してばっかりなんだから!     まあ、そんなとこも可愛いけどさあ…」 マキシ「スモモ、実をいうと俺様はもうペコペコなのだ。     だから悪いが 付き合ってくれんか?」 スズナ(おっ、マキシさんナイスフォロー!) スモモ「は、はい…そういうことでしたら…」 <タマムシシティの食堂> カランカラン スモモ「し、失礼します…」 スズナ「こんにちはー!」 マキシ「邪魔するぞ!」 店主「へい、らっしゃい!」 スモモ「わぁ、このお店もすごく広いんですね。それに 何だかとってもいい匂い…」 マキシ「そうだろうそうだろう!何せ、タマムシ一どころか     カントーでも指折りの人気店だからなあ!」 スズナ「カントーグルメ100選にも 取り上げられたことがあるんだって!」 スモモ「へ、へぇ〜」 店主「へい、メニューお待ち!」 スモモ「あ、どうも…って、ぶ厚?!な、なんですかこのラインナップは?!」 スズナ「あはは、ビックリした?実はこのお店、お味の方もさることながら     料理の種類の多さが一番の売りなんだよね」 マキシ「ご飯物に麺類、肉料理からデザートまで、何でも揃ってるぞ!」 スモモ「そ、そうなんですか…どれも美味しそうで、目移りしちゃいますね…     うっ…でも、やっぱり有名なお店だけあって      なかなかいいお値段なんですね…」 スズナ「あ、そこは心配しなくても大丈夫!今日はあたしとマキシさんの奢りだから!」 スモモ「えっ?ど、どういうことですか?」 スズナ「えへへー、実は今日スモモちゃんをタマムシに連れてきた一番の目的は     このお店でお腹いっぱい ご馳走してあげることだったんだ」 マキシ「お前、いつもロクな食事をとってないらしいじゃないか。     たまには旨いものを 倒れるまで食ってみたいだろう?」 スズナ「てなわけで、今日は好きなものを好きなだけ 頼んでいいからね!」 スモモ「こ、こんな豪華なメニューの中から、すすす好きなだけ…(じゅるり)」 スズナ「スモモちゃーん、よだれ出てるよ?」 スモモ「はっ!(ゴシゴシ)でっでも、そこまでお二人にご迷惑をかけるわけには…!」 スズナ「気にすることないって!スモモちゃんには     いつもバトルの練習相手になってもらったりしてるでしょ?だから 今日はそのお礼!」 マキシ「おう!世の中 持ちつ持たれつだぞ、スモモ!」 スモモ「で、ですけど…」 マキシ「先輩には甘えるものだぞ、スモモ!」 スズナ「そうそ、たまには年上らしいことさせてよ!」 スモモ「ううっ、ぐすっ…あ、ありがとうございますっ…     お二人とも、こんなあたしなんかのために…!」 スズナ「ちょちょっと、泣かないでよ…何かあたし達が いじめてるみたいじゃん」 マキシ「よーし、そうと決まったら じゃんじゃん頼むがいいぞ!」 カランカラン ミカン「こんにちは」 エリカ「失礼致します」 スズナ「あれーっ?!ミカンちゃんに エリカさんじゃない?!」 ミカン「あ、スズナさんにマキシさん…お久しぶりです」 エリカ「このような所でお目にかかれるなんて 奇遇ですわね」 マキシ「おう、二人とも元気そうだな!」 スモモ「あ、あのスズナさん…この方達は?」 スズナ「あそっか、スモモちゃんは二人とは初対面だったね。     紹介するね、トバリジムリーダーのスモモちゃん!あたしの可愛い後輩なの」 スモモ「は、初めまして、スモモといいます」 ミカン「あ、こちらこそ初めまして…アサギジムリーダーの ミカンです」 エリカ「タマムシのジムリーダーをやらせて頂いてます、エリカと申します」 マキシ「二人も この店の評判を聞きつけてやってきたのか?」 エリカ「ええ、ミカンさんにここの事を教えて差し上げましたら     もうどうしても行きたいってきかなくって…」 ミカン「ちょ、ちょっとエリカさん、あたしそんな事…!」 スズナ「へぇー、ミカンちゃんって意外と食いしん坊なんだね」 エリカ「そうなんですのよ、この前二人でケーキ屋さんに行った時なんかも…」 ミカン「わーっ、エ、エリカさんっ!!わーっ、わーっ!」 店主「お嬢ちゃん達、注文するなら早めに頼むよ?もうすぐ大会が始まっちまうからな」 スモモ「大会?何ですか、それ?」 店主「何だ、知らないのかい?タマムシ名物、年に一度の大食い大会だよ」 エリカ「ああ、そういえばもうそんな時期でしたわね」 スモモ「お、大食い大会?!あ、あのあのそれってもしかして     タダでご飯が食べ放題ってことですか?!」 店主「お、おう、そうだよ…ただし、それは優勝者のみね。    負けちゃった場合は、所定の参加費を払ってもらうけど」 スモモ「たたた食べ放題…こんな豪華で美味しそうなお料理が     お金を気にせず 好きなだけ食べられる…」 店主「なんだったら お嬢ちゃんも出てみるかい?」 スモモ「い、いいんですか?!」 スズナ「面白そうじゃん、出なよスモモちゃん!」 前回チャンプ「おいおい、子どもをからかうもんじゃないぜマスター。        そっちのおっさんならともかく、こんなちっちぇ子が出たところで        恥晒して帰るだけだぜ」 スズナ「(ムカッ)何よ、やってみなくちゃわかんないでしょ!」 前回チャンプ「あっはっは、あんた達知らねえな?        この店の料理は その半端ないボリュームでも有名なんだ。        そんなヒョロい女の子なんて、一皿も平らげられずにギブアップすんのがオチだぜ。        悪いことは言わねえ、恥かく前にとっとと帰んな」 スズナ「言ったわね〜デカい口叩けるのも今の内だよ。尻尾まいて逃げる準備でもしときなさい!」 前回チャンプ「な、なにぃ?」 マキシ「がっはっは、こう見えてスモモは     俺様なんかより遥かにバカデカい胃袋の持ち主だからな!」 スズナ「さっ、スモモちゃん さっそく参加登録よ!     この口だけ男に 目にもの見せてやんなさい!」 スモモ「あ、あのっでも…あたしなんかが参加して いいんでしょうか…」 スズナ「何言ってんの!女の子だからって 遠慮なんかすること無いよ!」 スモモ「そ、そうじゃなくて…もしいっぱい食べ過ぎて お店を潰しちゃったらと思うと…」 店主「な、なんだって?!」 前回チャンプ「あっはっは、こりゃまた大きく出たもんだ!」 エリカ「ミカンさん、せっかくですから あなたも出てみたらいかが?」 ミカン「えっ?あ、あたしは別に…」 エリカ「イメージが崩れることなら 心配なさらなくて大丈夫ですよ。     今日のことは ここにいる皆さんだけの秘密にしておきますから」 ミカン「べ、別にそんなこと思ってませんよぉ…」 エリカ「あそうですわ店主さん、今年の優勝賞品はなんですの?     去年は確か シルフカンパニーの最新型パソコンでしたわよね」 店主「おう、今年も豪華だよ!取れたて海の幸、何と一年分だ!    エビにタコにイカにカニ、どれも最高級の一品だよ!」 スモモ「う、海の幸?!」 ミカン「い、一年分?!」 エリカ「だそうですよ、お二人とも」 スモモ「(…ゴクン)」 ミカン「(…ゴクン)」 スモモ「あ、あたし出ます!勝負から逃げるのは臆病者のすることだと     お父さんに教わりましたから!!」 ミカン「あたしも…や、やっぱり出てみようかな…」 スモモ「で、でもミカンさんって アサギシティのご出身なんですよね?     だったら海産物なんて もう食べ飽きてるんじゃ…」 ミカン「あたし、カニが大好物なんですよ…でもアサギって     実はカニだけは獲れないんですよね。それよりスモモさんこそ     あまり食べ過ぎると トレーニングに差し支えるんじゃないですか?」 スモモ「大丈夫です!食べた分だけ 体を動かせばいいだけですから!」 ミカン(この人…体は小さいけれど 引き締まった筋肉をしていて     かなりカロリー消費の高そうなタイプね…相手にとって不足なしです…!) スモモ(ミカンさん…一見華奢で小食タイプに見えるけど     底知れないオーラを感じる…これは今までにない戦いになりそうですね…!) ゴゴゴゴゴ スズナ「な、何か既に 二人だけの世界って感じだね…」 マキシ「お、おう…俺様も記念に参加しようかと思ってたが やめとこう…」 エリカ「うふふ、面白くなってきましたわ♪」 前回チャンプ「あ、あのー…俺のこと忘れてない?」 <タマムシシティの食堂・大会開始直前> ミカン「スモモさん、緊張してませんか?始まる前にお水でも飲んで     リラックスしておいた方がいいんじゃないでしょうか?」 スモモ「いえ、お気遣いなく!水分を摂り過ぎると かえってお腹が膨れてしまいますから」 ミカン「そ、そうですか…」 ミカン(こんな初歩的な手には引っ掛からないか…流石、一筋縄ではいきませんね) 店主「それじゃ、改めてルールを説明するよ。    メニューにある全ての料理を注文できるけど、料理によってポイントが違い、    制限時間の3時間が経過した時に 一番獲得ポイントの多かった選手が優勝だよ」 スズナ「がんばれー、スモモちゃん!」 エリカ「ミカンさん、海の幸一年分ですわよ、い・ち・ね・ん・ぶ・ん!」 店主「それでは…用意、スタート!」 スモモ「えっと、カツ丼大盛りでお願いします!」 ミカン「あたしは、スパゲッティカルボナーラを!」 スズナ「おおっ、二人ともいきなりメインディッシュ?!」 マキシ「初めはオードブルやスープで胃を慣らしていくのが定石だが…     敢えてポイントの高い料理を先に消化することで、     相手にプレッシャーをかける作戦だな」 スズナ「二人とも、ガチで勝ちに来てるみたいだね…」 店主「へいっ、お待ち!」 スモモ「(ペロッ)次は、きつねうどんください!」 ミカン「(パクッ)あたしはハンバーグ定食を!」 スズナ「ちょ、早っ?!ていうか何あれ、お皿が来た次の瞬間には空になってたんだけど?!」 マキシ「流石の俺様でも 目で追いきれなかったぞ…     まさかスモモの奴、ここまでレベルアップしているとはな」 エリカ「あら、でもミカンさんだって負けてませんわよ?」 スズナ「てか、二人ともまたメインディッシュじゃん!     少しはペース配分とか考えなよ!」 マキシ「あの二人の前では、常識という言葉は無意味なのかもな…」 前回チャンプ(え…?な、何なの、この超展開…?) 〜1時間後〜 パクパク スモモ「美味しいですねー、ここのお料理!」 ミカン「そうですね…遠くからわざわざ食べにくる人がいるというのも 納得です」 スモモ「このお肉のタレがすっごく美味しいし、魚の焼き加減も絶妙!」 ミカン「本当ですね…毎日でも食べに来たいくらいです」 スモモ「あたしも、そうしたいのは山々なんですけど…     実はうちのジム、あんまりお金がなくって…」 ミカン「あ…そうなんですか?」 スモモ「はい、先週なんか 塩と水だけしか口にしてなくて」 ミカン「し、塩と水?!そ、それだけで平気なんですか?」 スモモ「えへへ、もう慣れちゃいましたから」 ミカン「苦労されてるんですね…」 スズナ「二人とも もう20皿以上食べてるのに、よくあんな涼しい顔してられるねえ…」 マキシ「しかも喋りながら食べてるのに、全くペースが落ちてないぞ」 スズナ「マジで何者なのよ、あの二人…あ、そういえば     あの偉そうなこと言ってたおじさんはどうしたの?」 マキシ「ああ、あいつなら死んだ魚のような目になって 逃げるように帰っていったぞ。     ちなみに参加費の他に、料理の代金も全て払っていったようだ」 エリカ「どうでもいいですわ。それよりついに、     お二人とも30皿目に突入するみたいですわよ!」 スズナ「うっぷ…な、何か見てるこっちが 気持ち悪くなってきた…」 〜2時間後〜 ミカン「大丈夫ですか、スモモさん?少し顔色が悪いみたいですけど…」 スモモ「そんなこと無いですよ?そういうミカンさんこそ、     少しペースが落ちてきてませんか?」 ミカン「そうですか?多分気のせいですよ」 スモモ「あっすいません、とんこつラーメン追加で!」 ミカン(えっ…?!) スズナ「なっ…!!こ、この終盤でそういうこってり系頼む?!     ここはサラダとかで 一旦口直しする所じゃないの?!」 ミカン(ふふっ、そう来ましたか…ならばこちらも…!) ミカン「じゃあ、あたしにはデラックスピザください!」 スモモ(…!やりますねミカンさん、そう来なくては面白くありません…!) スズナ「ちょおぉー!!ミカンちゃんまで!!     何でお腹一杯になってきたところで、そういう重いもの頼むかなあ?!」 マキシ「もう、互いに意地の張り合いになってきたな」 エリカ「ミカンさん、ああ見えて負けず嫌いですからねえ…」 スモモ(ふぅ…さ、流石にこれはキツかったです…     でも、ここで引いてはトバリジムリーダーの名折れ…!) スモモ「えっと、このドラゴンカレーライス、お願いします!」 スズナ「な、何その名前聞いただけで火吹けそうなカレー?!」 マキシ「名前だけじゃなさそうだな…見ろ、あの燃えるような赤いルー…     ありゃ相当な量の唐辛子入れてるぞ」 スズナ「な、何でわざわざそういう難易度の高いメニューを…」 マキシ「確かにポイントは高いが、その後何も喉を通らなくなる危険も伴う諸刃の剣。     素人にはお薦めできないぞ」 ミカン(ま、負けてられない…!) ミカン「げ、激辛麻婆豆腐くださいっ!」 スズナ「これまた辛そうなのいったあー!」 エリカ「あれは確か…あまりの辛さに、誰も頼む人がいないという伝説のメニュー…」 マキシ「もう、段々何の勝負かわからなくなってきたな」 〜2時間30分後〜 エリカ「お二人ともついに50皿突破ですか…そろそろ勝負も大詰めですわね」 スモモ「…?!うっ、うぐっ!!」 スズナ「ス、スモモちゃん?どうしたの?!」 マキシ「どうやら 魚の骨を喉に詰まらせたようだ」 エリカ「あらあら…残念ですけど、これで勝負ありでしょうかね」 スズナ「そ、そんな…!」 スモモ「ぐぅっ…ル、ルカリオ、お願いします!」 ポンッ ルカリオ「ガウ、ガウッ!」 ドスッ スモモ「かはっ…!はあっ、はあっ…た、助かりました、ありがとうルカリオ…」 ルカリオ「ガウガウ!」 マキシ「なるほど、ルカリオの手刀で骨を押し出したか…考えたな」 スズナ「もおっ、ヒヤヒヤさせないでよ!」 ミカン(ふふっ、それでいいんです。こんな形で終わられては興醒めというもの…     さて、そろそろこちらも奥の手を出しますか!) ミカン「コイル、出番です!」 ポンッ コイル「ビビッ!」 ビリビリビリビリ スズナ「な、何してんのあれ?」 マキシ「ぬうっ!こ、この技は…」 スズナ「し、知っているのマキシさん?!」 マキシ「ああ、あれはアサギジムリーダーに代々伝えられているという、     伝説の奥義『超電磁腹(レールバラ)』だ。     電気刺激を送ることで消化器官を活性化させ、     人間の限界を超えた消化速度を実現させると言われている」 エリカ「しかしその分、肉体への反動も尋常ではない…     ミカンさん、本当に後の事は考えていないようですわね…」 ミカン「さあスモモさん、ここからが本番ですよ!」 スモモ「望むところです!店主さん、次のオーダーは…」 店主「すまん、お嬢ちゃん達…今日はもう店じまいだ」 スモモ「へっ?」 店主「もう、厨房に材料が残ってないんだ…    二人ともお代は結構だから、悪いけどもう勘弁してくれ…」 スモモ「は、はぁーっ!!」 ドタン スズナ「ス、スモモちゃん?!」 ミカン「スモモさん、大丈…あ、あれ…」 バタン エリカ「あらまあ…」 マキシ「丁度二人とも、限界だったか」 スズナ「もおっ、二人とも無理しすぎだってば!」 スモモ「てへへ、ごめんなさいスズナさん…」 マキシ「そうだ、ポイントはどうなった?!」 バッ マキシ「1520対1520…」 エリカ「ピッタリ同点ですわね」 マキシ「がっはっは!実に見事な勝負だったぞ!二人とも あっぱれだ!」 スモモ「もう、勝負なんてどうでもいいんです…     今日だけで一生分くらい食べられましたし、     それにこんなに全力を出しきった戦いができたんですから…ですよね、ミカンさん?」 ミカン「はい…まるでポケモンバトルの後のような、とても清々しい気分です。     スモモさん、あなたがまさか ここまでやるとは思ってませんでした」 スモモ「ミカンさんこそ、あたしとこれだけ渡りあったのは あなたが初めてですよ…     そうだ、良かったらまた今度 一緒に何か食べに行きませんか?     トバリシティに 安くて美味しいカツ丼屋さんがあるんですよ」 ミカン「あ、はい、喜んで!アサギシティにも是非いらしてくださいね。     あたしお薦めのケーキ屋さんに案内しますから」 スモモ「わぁー、すっごく楽しみです!」 エリカ「まあ…これが戦いの後に生まれる 友情というものなんですね」 スズナ「どっちかっていうと『強敵』と書いて『とも』って感じの関係だけどね…     ていうか、あれだけ食べたあとに よくまた食べ物の話とかできるよね…     本当、ついていけないよ…」 <数週間後、トバリジム前> コンコン スズナ「スモモちゃーん、いるー?」 ガラッ 道場生「あ、スズナさん、押忍!ジムリーダーなら、     たった今ミカンさんと一緒に出かけていかれましたよ。     急げばまだ追いつけると思いますけど」 スズナ「またー?もおっ、最近いっつもだなあ…」 <トバリシティの大通り> スズナ「あ、いたいた!おーい、そこのラブラブカップルやーい!」 スモモ「ス、スズナさんってば…大きな声で、恥ずかしいこと言わないでくださいよ」 スズナ「だってー、あんた達最近しょっちゅう一緒にいるじゃん!     もおっ、たまにはお姉さんにも構ってよー」 ミカン「あ…良かったらスズナさんも一緒に来ます?」 スズナ「なになに、どこ行くの?」 スモモ「トバリ食べ歩きツアーです!」 スズナ「げ…え、遠慮しとく…あんた達の化け物染みた食べっぷり見てると     こっちが胸やけしてくるんだもん…」 スモモ「化け物だなんて、そんな言いすぎですよ」 スズナ「ていうか、スモモちゃんお金無いんじゃないの?どんなお店回ってんの?」 スモモ「え、えーっとそれは…カツ丼屋さんとか、おそば屋さんとか…     ミカンさんのお口に合わないかもしれなくて、申し訳ないんですけど…」 ミカン「そんなこと無いですよ?普段あまり食べないものが食べられて、     新鮮な感じでとっても楽しいです」 スモモ「で、今日はトバリのデパ地下を制覇するんです!」 スズナ「デパ地下って…まさか試食コーナー?」 スモモ「はいっ!トバリデパートの豊富な試食ラインナップを     ミカンさんにも体験してもらおうと思って!」 ミカン「ふふっ、考えただけでお腹が空いてきちゃいました」 スズナ「そういえば、この前の大食い大会の賞品は?     海の幸一年分。二人で山分けしたんでしょ?」 スモモ「ああ、あれならとっくに全部食べちゃいましたよ」 スズナ「ええっ?!だ、だって一年分だよ?!大会からまだ一ヶ月も経ってないのに?!」 スモモ「二人で一緒に食べてたので…」 スズナ「い、いくら二人掛かりだって言っても…」 ミカン「あんまり美味しかったので、つい一気に食べちゃって…お恥ずかしい話なんですけど」 スズナ「そ、そうなんだ…まあいいや、あたしの事は気にしないで 楽しんでらっしゃい」 スモモ「すいません、スズナさん…じゃ行きましょう、ミカンさん!」 ミカン「はい!」 スタスタ スズナ「…胃薬、忘れないようにね」 〜Fin〜