今年のバレンタインは土曜日。 学校で人気の男子にチョコを渡したい子達には残念な日程だが、私にはまったく関係の無い話だ。 寂しくなんかない。 やる事もないので、父と弟にあげるつもりでチョコレートケーキを焼き始める。 しばらくすると、弟が台所へやってきた。 「チョコをあげる相手が家族しかいない寂しい姉に」 といいながらチョコをくれた。 今年妙に宣伝されていた逆バレンタインチョコだという。 あんなミエミエの策に乗るなんて! と思いながらも嬉しかったので抱きしめてやったらウゼェと言われた。 やっぱりかわいくない奴だ。